ValueStar 2桁機などの intel 430FX機でP55CのCPUアクセラレータが使用できるようにするOSFDIPLwareアプリケーション

MMX430FX

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1.問題の所在

 PC-9821 V7,V10,V12,V13, Xa7eの一部(チップセットがintel 430FXの機種)とXb10では、CPU を P55C(MMX Pentium)のODPやアクセラレータに載せ替えると、IDEハードディスクからシステムを起動することができなくなることがよく知られています。これを回避するために、NECとintelは、PC-9821版の MMX ODP を発売した際にBIOSアップデートキットを添付していました。しかし今ではこれを入手できる可能性は全くありません。なぜなら譲渡・再販売不可と定められているからです。

 問題となっているシステムBIOSの動作不具合は、非常に重大で、内蔵IDE HDDの起動すら不可能、FD起動でもEMM386の実行不可能、PCISETUPユーティリティも実行不可能という厳しいものであるため、これまでIPLwareでなんとかするという手段も試みられていませんでした。Wildcat チップセット機ではこれが可能だった(IPLware版P55SUP2)にも関わらずです。

 しかし2023年に登場した OSFDIPLwareというFD版のIPLwareなら、FDから一旦起動しかかってからHDDや他のFDを起動できますので、アプリケーションプログラムでこの問題を解決できる可能性が出てきました。

2.このアプリケーションについて

 まずOSFDIPLwareと、2HD(1.44MBまたは1.25MB)でフォーマットされたフロッピーディスクを用意してください。DOSのシステムディスク(の複製)が望ましいですが、なにも入っていないものでも全然構いません。

 コマンドラインから
OSFDIPLw MMX430FX.BIN

と打ちます。あとは画面のメッセージの通り組み込まれます。

 メモリスイッチのブート装置は必ず「標準」に設定しておいてください。それ以外ではフロッピーを最初に読みに行きませんし、「1MB FD」に設定してあると、フロッピーの元のOSでしか起動できません。ただしFD運用ならばそれでも構いません。「1MB FD」に設定してあると、もとのフロッピーのOSが無手順で起動できます。  なお別のブートツール 「FDIPLware」でも本アプリケーションは動作します。ただしこれである必然性はあまり無いと考えられます。FD1枚で済みFD入れ替えもできるOSFDIPLwareのほうが便利です。OSFDIPLware には複数のアプリケーションを一気に組み込むことができる利点もあります。詳しくは OSFDIPLware の説明書のほうもお読み下さい。

3.組み込み後の動作

 今作ったフロッピーディスクから起動し、MMX430FXが実行されます。その後最下行に起動デバイス選択メニューが現れます。いずれかを選択するとそこのIPLから起動します。存在しないデバイスを指定するとハングアップしてしまうので、確実に起動できるものを選択してください。なおIDE#2を選択しても起動できないことが多いようです。その際はIDE#1を一旦起動させるしかありません。

 この段階で、最初に述べた3つの問題は解消されています。少なくともMS-DOSは動作するようです。Windows9x でのMS-DOSモード切替えがうまく行くかどうかは確認していません。Windows NT/2000についてはBIOSの動作は無関係ですので、おそらく問題ないと考えられます。Windows NT/2000のシステムインストールディスク(の複製)にOSFDIPLwareとMMX430FXを組み込んでしまっても構いません。 ただしWindows2000のディスク#1では空きがないことも予想されます。

4.注意点

 MMX430FXで一度パッチが当てられた状態のあとソフトウェア再起動すると、「パターンが見つからない」というエラーとともに音が(破裂音のようなものが2回)鳴る場合があります。これは既にパッチが当たっているためですが、そもそも再起動ツールのほうに問題があるためです。PCI搭載機の登場以前に設計された再起動ツールでは、RAM化されているシステムBIOSをきちんと元に戻すことができませんので、このようなエラーが出ます。またエラーのあとハングアップする場合もあります。PCI機用に正しく設計されたリブートツールであればこの問題は起こりませんし、リセットボタン押しの再起動でも問題は起こりません。

 チップセットがintel 430FXと異なる機種では実行されずに終了します。このときはメッセージなしで音だけが鳴ります。PC-9821Ct16のように430FXチップセット機の場合もパッチを当てようとしますが、エラーで終了し、実質何も行われません。

 本アプリケーションでは、RAM化されているシステムBIOSにパッチをあてているのみです。IDE-BIOSやPCI BIOSにも問題があるはずなので本来はそれも直すべきですが、ROM上であるためにIPLwareアプリケーションのレベルではどうにもできません。したがって動作が完全では無い可能性はあります。それはWildcatチップセット機用のP55CSUP2でも同様です。

 本アプリケーションでは、対応機種判定のためにもとのBIOSのデータのごく一部のコードパターンを含んでいますが、40バイト程度であり、これを元にBIOS全体を再構成できるようなものではありません。NECの著作権を侵害するほどではないと判断しています。バグの回避や動作改善のためのパッチは、著作物の同一性を破る例外として慣習的にこれまでにも認められていることがほとんどです。

5.お約束

 このソフトウェアは、フリーソフトウェアです。コピーすることは自由です。但し使用するためには下記のことに十分留意して下さい。

 プログラムは、ある程度のテストを経て公開していますが、動作が完璧に行なわれるということを、作者は保証するものではありません。IPLにユーザがプログラムを組み込んだことによりシステムが起動しなくなってもOSFDIPLwareの作者である私は、一切責任は負わないものとします。

これらの点を了承できない方には、使用を認めません。

 このソフトウェアを、不特定多数のダウンロードできる場所へ無断転載することは、禁止とします。

まりも (連絡先メールアドレスはホームページ上で)

■ 改版履歴

日付    版  内容
2024-10-12 1.00 新規作成
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